心の中の先生
随分と前の話だが、研修時の講師で私とあまり年齢違わない方がいた。
その方が講義の冒頭で、「これからお話することの殆どが本の受け売りです、ほぼ全て市販の本に載っている内容だと思ってください」と云う趣旨の自己紹介があった。
当たり前の事なのかも知れないが、当時の私には衝撃的だった。
その講義の後、何を質問しても「分からない」と回答されることなく全て的確に回答されたと記憶している。
その後は数度しかお会いすることはなかったし、記憶を美化している部分はあるのかも知れない。
コンピュータがメーカー独自のものから一般的になろうとしていた時代で、この後の5年程だが書籍を読みまくった頃だ、懐かしい。
「ネオダマ」懐かしい。
始めは本を買ってみたものの、それまで買っていた漫画を読んで参考書が積読状態だったため、試行錯誤の末に漫画を買うのをやめた。
説明図はあるものの活字ばかりの書籍になれるまで時間がかかったし、読み返すのが苦手なため読み捨てる様な状態だったが続けた。
学生の頃は勉強をしなかったし勉強が嫌で進学せずに就職した私が、一番勉強した時期だ。
この人との出会いがなかったら、こんなに本を読むことはなかっただろう。
今でも心の中の先生だと思っている。
貴方に出会えて良かったです。
ありがとうございました。